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グリゴリとネフィリム――堕天使の文明 その4

大洪水以前の文明レベルについて

エドガー・ケイシー

 『エドガー・ケイシー(Edgar Cayce)』はアメリカの予言者です。

 彼は『リーディング』と呼ばれる超能力により、様々な事象を読み取ったといわれており、その中の1つに(代表的な超古代文明)アトランティスのこともありました。

 

 ケイシー曰く、アトランティスの人々はクリスタルに封じられた霊力から莫大なエネルギー――この場合はおそらくフリーエネルギーを指す?――を取り出して利用した他、原子エネルギー、空中移動、レーザー光など高度なテクノロジーを持っていたと語っていたそうです。

 

 奇しくも、アトランティスとの関連が深いといわれるバミューダトライアングルの海底にて『クリスタル・ピラミッド』が発見されたという話もありました。

 海底ピラミッドの話やその画像の真偽は不明ですが、大洪水以前の技術を考えるうえで、ケイシーの話は(ある程度)参考になるかもしれません。

 

𒉡画像引用 Wikipedia

クリスタル・ピラミッド?(左)

バミューダトライアングルの位置(右)

 バミューダトライアングルには様々な怪現象や逸話が伝えられており、『クリスタル・ピラミッド』の件もそうした話の1つになるでしょう。

 ただ、この話の真偽については不明です。

 

𒉡画像引用 カラパイア、Wikipedia

 『グリゴリとネフィリム』シリーズも『その4』で最終回となります。

 これから前回以上にトンデモな話を語ることになりますが、その前に重要な前提を考える必要があります。

 

 世界各地の神話では『大洪水』――あるいはそれ以外の災害――による『人類滅亡の物語』が伝えられています。

 では、大洪水以前の文明はどの程度の水準だったのでしょうか。

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【𒅆大洪水以前の文明に対する考察 パターン①】

 (シュメール文明など)歴史上で知られた初期文明以前にも文明国家が存在していた。

 ただ、それはメソポタミア古代エジプトスケールダウンした程度の文明であり、規模も余り広がっていなかった。

 故に(世界的な洪水など)大きな自然災害1つで完全に滅亡してしまった。

 生き残った人々は、この自然災害を『天罰』として後世に伝え、それが神話として書き残された。

 

【𒅆大洪水以前の文明に対する考察 パターン②】

 大洪水以前の文明は、現代人と同様の科学的発想でテクノロジーを発達させ、現代以上の文明レベルを誇っていた。

 それは『超古代文明』と呼ぶに相応しい世界であり、現代文明はそれに比べて遥かに劣る。

 

【𒅆大洪水以前の文明に対する考察 パターン③】

 大洪水以前の文明は、いわゆる『科学技術』に基づく文明とはかなり異なっており、(現代人が考えるような)科学的な方面では現代よりも遥かに劣る文明水準だった。

 同時に、我々が知らない技術も知っており、現代とは異なる方法で高度な文明を築いていた。

 つまり、現代文明のような科学技術の恩恵がない代わりに、例えば(現代では失われた)極めて強力な呪術などの方法があり、それによって便利で豊かな生活を送っていた。

※『ドラゴンクエストシリーズ・『ウィザードリィシリーズ・『ファイナルファンタジーシリーズのようなファンタジーロールプレイングゲームの世界観を参考にすると、イメージし易いかもしれません。

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 「世界規模の大災害により、それ以前に繁栄していた文明が滅亡した」と仮定した場合、概ね上記のような文明のパターンが想定できます。

 

 大洪水以前に文明が存在としたとしても、現実的に考えるなら、せいぜい『パターン①』くらいの世界しか想像できないでしょう。

 しかし、シュメール以降の我々が知る歴史でも――『ダマスカス鋼』の例がある通り――『ロストテクノロジー』が存在したのは事実です。

 そうしたロストテクノロジーの中には、我々の想像を超えた高度な技術もあったかもしれません。

 その1つが(『その3』の記事でも紹介した)シュメール神話の超常的な存在『メー(メ)』と関係していたのではないでしょうか。

※なお、超古代文明のことはアメリカの予言者も語っていました〈左画像『エドガー・ケイシー』参照〉。

 

 次章以降では上記のことを踏まえて――特に『パターン③』を参考にして――『大洪水以前の世界(超古代文明?)』の滅亡について考察してみましょう。

 

 これに関連して特に興味深い神話が書かれていた文献は、マニ教版『巨人の書』です。


『巨人の書』について

マニ(マニ教の教祖)

 マニ教とは、紀元3世紀のペルシアの宗教家『マニ』を教祖とする宗教です。

 その思想は、ゾロアスター教・ユダヤ教・キリスト教仏教などの流れを汲んだハイブリッドな内容となっています。 

 

𒉡画像引用 Wikipedia

 前回の記事の後半では、エノク書の記述を中心に『大洪水以前の世界(旧世界)』の滅亡について調べてみました。

 今回は、一神教とは異なる文献を参考にして上記のことを探りたいと思います。

 

 堕天使グリゴリ』とその子『ネフィリム』に関わることについて特に重要と思われる文献が『巨人の書(The Book of Giants)』です。

 『巨人の書』とは、(エノク書と同じく)旧約聖書創世記』の物語を膨らませたユダヤ教の文献(一般的には偽典扱い)であり、紀元前2世紀以前に作成されたと考えられています。 

 『巨人の書』は、マニ教の文献として知られていました。

 しかし、『死海文書』の発見により、その認識は改められました。

 

 死海文書(あるいは死海写本)とは、1947年以降に死海の北西(ヨルダン川西岸地区)にあるクムラン洞窟などで発見された972の写本群の総称であり、『20世紀最大の考古学的発見』ともいわれています。

 これらの文献において、アラム語で書かれた『ある断片』が、マニ教の『巨人の書』に酷似していたことから、『巨人の書』はアラム語で書かれた『エノク書』の一部だったことが判明したのです。

 

 マニ教版と死海文書版――いずれにせよ『巨人の書』は断片でしか伝わっていないのですが、マニ教版の方が比較的多くの資料が残されており――堕天使『グリゴリ』の降臨から彼らの滅亡までの――物語の大まかな流れがわかっています。

 

 次章では、マニ教版『巨人の書』の概要を確認してみましょう。


マニ教版『巨人の書』の概要

 マニ教版『巨人の書』の内容は死海文書の文献と似ているものの、マニ教の宇宙観(善悪二元論)に沿った改変がされています。

 登場人物の名前も、イラン神話の英雄に由来する名前になっていたり、イランの言語で音訳されていたりと、変更された部分があります。

 この辺りは混乱し易いので、本ブログでは登場人物の名前を(基本的に)一神教系の表記で統一します。

 登場人物の名称がマニ教版『巨人書の書』ではどのように変更されたかについては、以下をご参照ください。

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 以下の『⇒』は、マニ教版『巨人の書』における表記です。

 

𒅆シェムハザ(Shemhaza)

⇒シャフミーザード(Shahmīzād)

 シェムハザは、グリゴリのリーダー(複数いる頭領の筆頭)です。 

 

𒅆オフヤフ(Ohyah)/シェムハザの子

サーム(Sām)

 サーム(Sām)はイランの叙事詩『シャー・ナーメ(王書)』に登場する人物の1人であり、『カシャフ川の竜』を退治した英雄とされています。

 

𒅆ハフヤフ(Hahyah)/シェムハザの子・オフヤフの弟

⇒パート・サーム(Pāt-Sāhm)あるいはナリーマーン(Narīmān)

 『シャー・ナーメ(王書)』において、ナリーマーンはサームの父親とされています。

※オフヤフとハフヤフについては、『オフヤ(Ohya)』と『アフヤ(Ahya)』とされる場合もあります。  

 

𒅆フンババ(Humbaba)

⇒ホバビシュ(Hobabiš)

 『巨人の書』におけるフンババは、ネフィリムの1人とされています。

 

𒅆バラクエル(Baraqel)

⇒ヴィローグダード(Virōgdād)

 バラクエルは、グリゴリの頭領の1柱です。

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 本章では、『The Book of Giants(Joseph Lumpkin 著)』に書かれていたマニ教版『巨人の書』の概要を翻訳しました。

 訳文だけ載せても意味がわかりにくいところが多々あったので、その内容については(補足を多分に加えた)ブログ主の超訳としました。

 上記について、あらかじめご了承ください。

堕天使『グリゴリ(見張る者)』

 マニ教版『巨人の書』によると、グリゴリの頭には『角』が生えていたそうですが、それに悪い意味はなく、神から送られたものとされています。

 大洪水以前の人類には『有角族』――これが本来の人間の姿?――もいたということでしょうか。

 

𒉡画像引用 Wikipedia

フンババ

 フンババメソポタミア神話に登場する『森の番人(精霊)』。同神話では、英雄王『ギルガメシュ』とその友人『エンキドゥ』により倒されました。

 一方、『巨人の書』では、ネフィリムの1人とされました。

 

𒉡画像引用 Wikipedia

エノク

𒉡画像引用 Wikipedia

核の閃光

 『終末の火』として選んだイメージ画像は、ソビエト連邦が開発した水素爆弾ツァーリ・ボンバ(爆発時)』の映像です。

※マニ教版『巨人の書』によると、旧世界は(大洪水ではなく)『終末の劫火』に包まれて滅亡したことになっています。

 

𒉡画像引用 

𒁾以下(右側)は『The Book of Giants(The Watchers, Nephilim, and The Book of Enoch)』の一部を翻訳

 

 200柱の悪魔が地上に降り立った。

 『グリゴリ(見張る者たち)』が人間の女たちの美しさに魅了され、その職務を放棄したのだ。

 

 女たちとの交わりに耽った悪魔たち(グリゴリ)は『禁じられていた術』や『霊的な神秘』を明かしてしまった。

 また、ある者は、女を誘惑する能力を分け与えた。 

 これらの行為により、グリゴリは地上に破滅をもたらした。

 彼らの領地を離れ、その力の秘密を人間に明かしたことが、天使たちと神の怒りを買ったのだ。

 

 グリゴリの到来は『恨み言(hurting speech)』と『重労働(hard labor)』にしか繋がらない――(セトの子孫=セト一族の予言者である)エノクは、このように人々に警告した。

 グリゴリは人類を服従させ、戦いで何十万人もの『義人』を殺害し、美女を無理やり結婚させ、諸民族(諸国民)を奴隷にした。

 

 グリゴリの頭には神から送られた『角』があったが、これが見つからないように処置したうえで、人間の中に身を隠していた。

 グリゴリの筆頭『シェムハザ』は、人間の女に2人のネフィリム――『オフヤフ(Ohyah)』と『ハフヤフ(Hahyah)』――を生ませた。

 他のグリゴリたちもネフィリムを生ませた。

 

 ネフィリムは成長すると、地上と人類に破壊と破滅をもたらした。

 人類の嘆きは、天にまで届いた。

 そして、神である『イマ(ジャムシード)』〈注1〉(あるいは神とイマ)は、助けを乞う人類の祈りを受け入れた。 

 一方――

 

「オフヤフとハフヤフの兄弟は永遠に生き、支配するだろう」

 

――ネフィリムは、このように彼らを誇っていた。

 というのも、オフヤフとハフヤフは、人類の中でも比類なき能力と強さを持っていたからだ。

 

 だが、そんなネフィリムたちの関係も良好ではなくなった。

 ネフィリムの1人である『フンババ(Humbaba)』が、別のネフィリムから妻を奪うと、仲間割れが起こり、互いに殺し合うばかりか、人間を含めた他の生物にまで危害を加えるようになったのだ。

※上記のことに加え、シェムハザがバラクエル(グリゴリの1柱)とマーハワイ(ネフィリムの1人)の悪行を糾弾し、オフヤフに彼らと戦うよう命じたという話もある。

 

 ある日、オフヤフとハフヤフは奇妙な夢を見た。

 オフヤフの夢では、災い・戦い・破壊を予兆する3つのサインが書かれた石板が水の中に投げ入れられた。

 ハフヤフの夢では、200本の木が現れ、何かの諺が朗読されていた。

 その中のある木は涙を流し、ある木は悔やみ、それ以外の多くの木々は、罪深い支配者ような傲慢な態度をとっていた。

 

 2人の夢(特にハフヤフの夢)が気になった『マーハワイ』――グリゴリの1柱である『バラクエル』の子――は、エノクを探すことにした。

 マーハワイから話を聞いたエノクは、ハフヤフの夢に現れた『200の木々』がグリゴリを暗示していると告げた。

 そして「これらの木々は引き抜かれることになる」とも付け加えた。 

 エノクは石板に夢の解読内容を書くと、マーハワイにそれを持たせた。

 ネフィリムが見た夢について、エノクは――

 

 グリゴリとその子ら(ネフィリム)に安らぎはなく、やがてグリゴリの子らは滅ぶことになる。

 

――このような神の裁きを告げるメッセ―ジだと読み取ったのだ。

 

 自分たちに未来はないことを知ったネフィリムは、意気消沈した。

 なお、マーハワイが戻ってきた頃、オフヤフは天に昇る夢を見た。

 その夢の中で、 彼は大地にある水(海水?)が熱で沸騰し、やがて水面から悪魔が現れる光景を目にした。 

 

 各グリゴリはエノクの前に集まり、悔い改めることを約束した。

 しかし「悪魔たちは劫火の中に放り込まれ、永遠の天罰を受けることになる」と、エノクは告げた。

 悪魔たち(グリゴリ)は、自分たちの力が失われることはないと思っていたが、その力が意味をなさなくなることを知らなかった。

 また、エノクは、死した義人の魂(あるいは天使たち?)が劫火の上を飛び回り、火中にて苦しむネフィリムの魂をほくそ笑む様子についても語った。

 この救いようのない予言を耳にしたグリゴリは、腹いせに(神のお気に入りである)エノクを拘束した。

 その結果、天使が降臨し(人間の姿に変化して)人類の中に紛れていた200柱のグリゴリを恐怖させた。 

 

 天使はグリゴリから『選別された人間たち』を引き離し、彼らを『アーリア・ウェザン(アーリア人の伝説的な故郷)』――須弥山などの山々に囲まれた場所にあるところ――にある32の町に避難させた。

 

 その後、200柱のグリゴリ(及びネフィリム)は、4人の天使たち――『ミカエル』『ガブリエル』『ラファエル』『イストラエル(Istrael)』――が率いる軍勢と激しい戦いを繰り広げた。

 この戦いにて、ネフィリムだけでなく天使や他の生物も死んだ。

 神の軍勢(天使たち)相手でも戦うことを仲間たちに約束していたオフヤフとハフヤフは奮戦し、自分たちの強さを誇った。 

 これに対し、神は4人の天使たちに命じてグリゴリを捕えさせ、彼らを暗い牢獄に縛り付けた。

 その後、天使たちは『火』『油』『硫黄』を用いてネフィリムを殲滅した。

 

 最強のネフィリム――オフヤフも死は避けられなかった。

 彼は、原初の海の怪物である『レヴィアタン』〈注2〉と戦い、これを倒したものの、その後、ラファエルと相討ち〈注3〉になった。

 

 こうして、旧世界は劫火の中で終焉を迎えた。


【注釈 1~3』

 

■注1 神である『イマ』

 ゾロアスター教神話のイマは、旧約聖書におけるノアと同じく「神から啓示を受けて助けられる」という役割の人物とされているが、マニ教版『巨人の書』では、むしろイマ自身が神という扱いになっている。

 この設定は、旧世界の生き残りであるイマ自身が(実は)旧世界を滅ぼす大災害を引き起こしたことを暗示しているのかどうかは不明である。

 

■注2 原初の海の怪物である『レヴィアタン』

 マニ教版『巨人の書』も断片でしか伝わっていないので、なぜオフヤフがレヴィアタンと戦うことになったかは不明である。

 物語の最後にレヴィアタンが登場するのは極めて唐突な感じもするが、その前にオフヤフは「大地にある水が熱で沸騰し、やがて水面から悪魔が現れる光景を目にした」という夢を見ているので、この夢が『オフヤフとレヴィアタン』の戦いを暗示していたのかもしれない。 

 少なくとも、マニ教版『巨人の書』では、レヴィアタンは『神の敵』という扱いではないように思われる。

 

■注3 ラファエルと相討ち

 オフヤフはレヴィアタンを倒した後、ラファエルに殺害されたという説もある。

ゾロアスター教の終末神話

ヤルダバオート(左)

アンラ・マンユといわれる彫像(右)

 キリスト教の異端思想であるグノーシス主義では、物質世界は『悪』とされ、邪悪な造物主(デミウルゴス)によって創造されたことになっています。

 この造物主の名前が『ヤルダバオート』とされ、アラム語(またはヘブライ語)で『混沌の子』を意味する単語から派生したともいわれています。

 ヤルダバオートは一神教の神『ヤハウェ』と同一視され、グノーシス主義が考える『真の神=アイオーン』に対する『偽の神』として考えられています。

 

 ヤルダバオート=デミウルゴスは、ライオンの顔と蛇の体を持つ神格とされ、画像のグノーシス様式の宝石に見られる獅子面・蛇身の神は、その姿を描いたものだという可能性があるようです。

 獅子(ライオン)と蛇という性質は、ゾロアスター教の悪神『アンラ・マンユ』といわれている彫像の特徴と共通する部分があります。

アンラ・マンユといわれている彫像は、獅子面で体に蛇が巻き付いています〈右の画像参照〉

 

 これは、一神教の神を『悪なる存在』と見なした場合の特徴といえます。

 多神教の神々が一神教では『異形の悪魔』として描かれたように、旧世界において『神の勢力』と対峙した者たちも、一神教の神(ヤハウェ)に対して上記の怪物のようなイメージを抱いていたのかもしれません。 

 

𒉡画像引用 Wikipedia

核実験によるキノコ雲

 画像は核実験『アイビー作戦』により発生した巨大なキノコ雲です。

  核戦争が起これば、地球上に大規模環境変動が起き、人為的な氷期が発生するといわれています。

 

𒉡画像引用 Wikipedia

 前章で紹介したのは、マニ教版『巨人の書』の概要でした。

 ハイブリッド宗教であるマニ教も、基本的には『世界を滅ぼした側』が正義となっています。

 しかし、被害者視点に立てば、神や天使たちによる『処罰』は恐ろしい光景として映ったのかもしれません。

 

 参考までに、ゾロアスター教の文献『ブンダヒシュン(Bundahishn)』における以下の文を紹介します。 

※本ブログ『インド神話の核兵器(?) その6 旧世界のカタストロフィー』から引用。

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 ある日の正午、悪霊が大地の下にある水(地下水の領域?)を通って大地を破り、地上に現れた。

 その後、悪霊は植物・牛・原始人(ガヨー・マルタン)に襲いかかった。

 彼らは蠅の如く俊敏に万物を駆け巡った。

 悪霊によって真昼の世界は害されて暗くなり、まるで闇夜のようになった。

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 上記の記述は、『悪の勢力』が地下世界を出て地上のあらゆる存在に襲いかかる様子を描いています。

 「真昼が暗くなった」というのは、核兵器のような大量破壊兵器が使用されたことで、空が厚いキノコ雲で覆われたことを暗示しているのでしょうか。

 ブログ主がこのように想像するのは、言語学的にゾロアスター教と関連があるヒンドゥー教の神話において、核兵器のような武器が使用された記述があるからです〈『インド神話の核兵器(?)その1』参照〉。

 

 さらに『ブンダヒシュン』には、悪霊によってヘビ・サソリ・カエル・トカゲなど有毒な生物がばら撒かれたこと、植物に疫病が蔓延したこと、牛と人間に貪欲・欲望・痛み・空腹・病気・無気力がもたらされたことなども記されています。

 上記はゾロアスター教の世界観において有害・有毒だと考えられた(古代人でも認識できた)生物です。

 もし、これらが体調を悪化させる細菌ウィルスなどの生物兵器、あるいは化学兵器メタファー(隠喩)だとすれば、現代と同様の危機が太古の昔にもあったことになります。

 

 『ブンダヒシュン』で言及された悪霊とは、ゾロアスター教の悪神『アンラ・マンユ』とその眷属を指します。

 当初、楽園だった地上(物質世界)は、彼らにより(戦争を含めた)様々な災厄がもたらされることになったのです。

 同文献では、「空が暗く変貌し、星座が変わった」とも記されているので、これは『地軸が傾いたこと(ポールシフト』を暗示している可能性があります。

 ポールシフトまで起こせたとなると、人類の想像を超えた太古の超兵器が使用されたということになるのでしょうか……。 

 

 地上の生類は死の危険に晒され、生活環境も大きく変わりました。

 『悪の勢力』の攻撃によって大気は激しい嵐を引き起こし、大地震が起こり、数々の山(地殻の隆起)ができた上に、雪・海・森・砂漠などの形成にも影響が及んだようです。

 

 ゾロアスター教の聖典『アヴェスター』では、アンラ・マンユの攻撃によって「冬が10ヶ月、夏が2ヶ月になった」と記されています。

 こうして、(ゾロアスター教で言うところの)『悪の勢力』により氷河期がもたらされたのです。

 

 「破滅的な災厄をもたらす存在がいた」ということは、世界各地の神話において伝えられていますが、ゾロアスター教では被害者の視点に立ってそのことが述べられているようです。

 

 よく考えてみると、『ヨハネの黙示録』でも各種の災厄〈注4〉が記されているので、ゾロアスター教の終末神話の災厄も、本当に『一神教の神や天使たちに相当する存在』によって引き起こされたのかもしれません。

 このシリーズ記事の解釈に沿って考えるなら、上記の災厄は(厳密には)『神・天使を崇拝していた人間たち(グループ)』によって引き起こされた可能性があります。

 

 これらの情報を踏まえたうえで、旧世界の滅亡とはなんだったのか、考えてみましょう。


【注釈 4】

 

■注4 『ヨハネの黙示録』でも各種の災厄

 『ヨハネの黙示録』では『黙示録のラッパ吹き』や『7人の天使による災害』など神や天使に関係する各種の災害が記されている。 

旧世界の超兵器?

ブラフマーストラ

 インド神話では、核兵器のような武器が使用されたと思われる描写が散見されます。

 その1つが『ブラフマーストラ』であり、これは神や英雄たちにとって『必殺の武器』となりました。

 いにしえの時代において、一神教の大天使のモデルになった者たちも、このような大量破壊兵器を使用したのかもしれません。 

 

𒉡画像引用 धर्मयात्रा(ダルマヤートラー)

プーチン氏(左)

 画像は(2000年時)、救世主ハリストス大聖堂におけるロシア正教会モスクワ総主教アレクシイ2世』(右)と対面する『ウラジーミル・プーチン』氏です。

 

 現在(2022年5月時点)ロシアの大統領を務めるプーチン氏は、ウクライナ侵攻(2022年)の件を中心に世界を騒然とさせています。

 しかも、常任理事国の指導者でありながら、核兵器による恫喝を行いました。

 核兵器の威力は周知されていますが、わざわざこれを以て恫喝を行ったのは、ロシアが通常戦力に不安を抱えていることの『裏返し』なのかもしれません。

 

 なお、陰謀論を信じる人々の間では、プーチン氏は『ディープステート(deep state/略称:DS/闇の政府)』と戦う『光の戦士』という見方がされることもあるようです。

 プーチン氏がロシア正教会の信者であり、現職(2022年5月時点)のモスクワ総主教である『キリル1世』と良好な関係だと思われていることも、そのイメージを強めているのかもしれません。

 (正しいかどうかは置いておくとして)陰謀論を信じる人々にとっての正義には、大なり小なりキリスト教的な救世主思想の要素が含まれているように思われます。

 しかし、ロシア軍によって被害を受けているウクライナの国民、そして陰謀論を信じない人々は、プーチン氏のことをそのように考えてはいないでしょう。

 

 陰謀論者であれば「主要メディアはディープステートに支配されているので、その(あらゆる?)報道は信じるに値しない!」――と主張するかもしれません。

 確かにそれは一面の真実です。

 

 ただ、大洪水により旧世界を滅ぼした『神の使徒たち』――旧世界を『悪』に満ちた世界として糾弾した者たち――も、おそらく、プーチン氏や陰謀論者たちと同様のことを主張していたのではないでしょうか。

 

 そして、劣勢にあったと思われる彼らが最終的に実行した作戦は『世界の一掃』――史上空前の虐殺でした。

 

𒉡画像引用 Wikipedia

 エノク書では、天使たちが一方的にグリゴリやネフィリムを制裁した記述が見られます。

 しかし、マニ教版『巨人の書』によると、4人の天使たち――『ミカエル』『ガブリエル』『ラファエル』『イストラエル』――が率いる『光の軍勢』が、グリゴリ・ネフィリムの軍勢と激戦を繰り広げたと伝えられています。

 この戦争により、天使やネフィリムだけでなく、その他の生物も殺害されたとか。 

 

 興味深いのが、この時に使われた武器が『火』『油』『硫黄』といった高熱系の武器だったことです。

 大洪水以前の世界が(高度なテクノロジーを有した)『超古代文明』の時代だったと仮定するなら、おそらく、強大な火力兵器でネフィリムたちを滅ぼしたのではないでしょうか。

 奇しくも、インド神話では『ブラフマーストラ』や『パーシュパターストラ』など核兵器を連想させる魔法の武器が登場します。 

 『巨人の書』に記された天使たちも、同系の兵器を使用したのかもしれません。 

 

 (繰り返し述べていることですが)このシリーズ記事では、古代の神話において登場する神・天使・ネフィリム(巨人)などの神的存在について「実際は人間だったのではないか?」――という解釈をしています。

 この仮定に基づくなら、マニ教版『巨人の書』に記されたような『天使と悪魔の最終戦争』が過去に起こったとしても、それはあくまで人間が引き起こしたということになります。

 この場合、文献に神や天使として記された存在は、セト一族の人間――特にその集団の指導者である神官たち――を指しているといえるでしょう。

 彼らは、ネフィリムを擁するカイン一族(カインの子孫)を『悪なる存在』と呼んでいました。 

 

 現実の戦争でもそうですが、敵対者に対して圧倒的な武力を持っているのであれば、核兵器のような大量破壊を使用する必要はありません(ロシアのプーチン氏のように露骨に核恫喝を行う必要もありません)。

 事前の政治工作(調略)は必要でしょうが、いざ実戦となれば敵の軍勢に物量戦を仕掛けてこれを撃破し、武威を充分に示したうえで、敵地を自分たちの法で支配するのが基本的な流れになるのではないでしょうか。

 少なくとも、(誰の得にもならない)『大洪水』に例えられるような被害を出す戦法をとる必要はなかったでしょう。 

 それができなかったということは、セト一族には全く余裕がなかった――というか、カイン一族に追い詰められていたことが考えられます。

 

 一神教系の文献を読む限り、大洪水以前世界においては、カイン一族の方が繁栄していたのは明らかです。

 また、セト一族には血統にこだわる狭量な部分も見られるようなので、思想的な支持者もカイン一族の方が多かった〈注5〉と思われます。

 おそらく、当初はカイン一族より優位だったセト一族も、大洪水の直前の頃には、思想的に寛容なカイン一族に対し、軍事面でも経済面でも劣勢になっていた――だからこそ、両勢力が本格的な戦争になった際に、逆転の手段として核兵器に相当するような大量破壊武器を使用したのではないでしょうか。

 

 そういう意味では、この戦争はセト一族が上から目線で「裁ける」ものではなかったでしょう。

 むしろ、ローマ帝国の支配下にあったユダヤ人たちが、独立のために戦いを挑んだ『ユダヤ戦争』のように、悲壮感のある『大きな賭け』だった可能性もあります。

 それでも、核兵器のような武器を数多く保有していれば、総合的な戦力で劣るセト一族でも、形勢を一気に逆転できたのかもしれません。

 

 核兵器なんてあり得ない?

 常識で考えるならそうでしょう。

 

 しかし、(前述した通り)世界各地の神話――特にインド神話――を読むと、このような兵器が少なからず使用された記述が見られます。

 また、インド神話と同じく、アーリア人の神話に大きな影響を受けたゾロアスター教の神話でも、(地軸が傾くほどの?)破滅的な被害が伝えられています。

 より古いメソポタミア神話では、『イムフル(悪風)』と呼ばれる『暴風を引き超す武器(気象兵器?)』が、戦争や都市の破壊を目的として使用されました。

 

 これまで取りあげてきた文献を参考に考えるのであれば、2つの勢力の大戦争は、世界に破滅をもたらすことになりました。

 その時の光景が、文献によって『大劫火』や『大洪水』、あるいは『破滅的な冬(核の冬?)』として記述されたのかもしれません。

※あるいは、実際に『火』と『水』と『氷河期』の災害が同時に降りかかったことも考えられます。

 

 しかし、このような破滅的な災害に見舞われても、なお生き残った者たちがいたようです。


【注釈 5】

 

■注5 思想的な支持者もカイン一族の方が多かった

 上記については、創世記において「地上には人の悪が蔓延り(中略)終日、ひたすら悪であった」と記されてしまった大きな要因の1つかもしれない。

  一神教系の文献では『大洪水以前の悪』が過剰に脚色されているが、実際のところは不明。

  少なくとも、カイン一族の思想には(よく言えば)「開明的で開放的」、(悪く言えば)「弱肉強食的な社会体制」――新自由主義と似た感じ?――のような傾向があったのかもしれない。

 

 なんにせよ、一神教系の文系では(例外なく)「セト一族の思想(聖書的に言えば『神の教え』)は、大洪水以前の世界において一般に受け入れられることがなかった」ということが示されている。

旧世界の最終戦争

レヴィアタン

𒉡画像引用 Wikipedia

大天使 ラファエル

 ラファエルという名前はヘブライ語で『神は癒される』という意味であり、ユダヤ教の伝統では癒しを司る天使とされているそうです。

 マニ教版『巨人の書』において、最強のネフィリムであるオフヤフと戦った大天使は、ラファエルでした。

 「なぜ、戦いの天使といわれるミカエルではなく、ラファエルがオフヤフと戦うことになったのか」は、気になるところです。

 

𒉡画像引用 Wikipedia

ノア(左)とイマ(右)

 ゾロアスター教の神話に登場する聖王『イマ』は、ペルシア語では『ジャムシード』と呼ばれています。

 イマはインド神話のヤマ(閻魔大王)と共通のルーツを持つ人物です。

 インド神話のヤマは、冥界神になる前は「最初の人間だった」とされています。

 一方、ゾロアスター教神話のイマは、旧約聖書で言うところの『ノア』と同じ役割の人物です。

 言うなれば『大洪水以前の世界の生き残り』ということになるので、インド神話との比較は興味深いところです。

 あるいは、ヤマは旧世界が滅びた後にできた『新世界における最初の人間』ということになるのでしょうか。

 

 ゾロアスター教の神話では、氷河期が到来した際にイマが神より啓示を受け、巨大地下施設『ヴァラ』を建設したと伝えられています。

 イマに選ばれ、ヴァラに避難できた人間たちはその中で楽園のような生活を送ったそうですが、疾患持ちや貧乏な人間たちは(例え人格者でも)ヴァラに入ることはできませんでした。

 

 そんな神話を持つイマだからでしょうか。

 イマのインド版である死神『ヤマ』には、仏教神話において以下の話も伝えられています。

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 傲慢になっていたヤマは、寿命が尽きる前に人間の命を奪い、『カルマ(この場合は人々の人生)』を邪魔していた。

 そんなヤマを懲らしめるため、『文殊菩薩』は『大威徳明王』の姿となり、ヤマを退治した。

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 絶大な力を持つ神(のような人間)も、悟りを開き、世界を超越した存在には敵わないようです。

 

𒉡画像引用 Wikipedia

YHVH

 神に戦いを挑むビデオゲーム『真・女神転生』シリーズのラスボス『YHVH』。

※ヤハウェのことです。

 

 今でこそシリーズ化されていますが、極めて罰当たりといえるシナリオであり、インターネットが発達していなかった平成の初期〈注7〉だったからこそ、この企画が通ったといえるでしょう。 

 ただ、現実の我々も『神』――厳密には神の名を騙る者たち――と対決しなければ、(いつか訪れるかもしれない)世界の破局を乗り越えることはできないのかもしれません。

 

 まあ、これはかなりの『無理ゲー』ですが。

 

𒉡画像引用 株式会社アトラス

 マニ教版『巨人の書』の概要でも述べた通り、この文献には『レヴィアタン(英語:リヴァイアサン)』という海の怪物が登場します。

 レヴィアタンとは、旧約聖書でも言及される怪物であり、蛇・龍・鰐・大きな船など様々な姿で描写されることがあります。

 中世以降は悪魔として解釈されるようになりましたが、本来は『最強の生物』というだけであり、善悪にて分類される存在ではないのです。

 そんな怪物が、なぜ過去の終末神話に登場したのでしょうか。 

 

 『巨人の書』は断片でしか伝わっていないので経緯は不明ですが、この文献によると、『オフヤフ』というネフィリムがレヴィアタンと戦ったことになっています。

 一説によると、オフヤフは『大劫火(あるいは大洪水)』を生き延びた後、この怪物に挑んだとか。

※参考図:マニ教版『巨人の書』における旧世界の最終戦争(本章下の画像) 

 

 『巨人の書』に記されたレヴィアタンの実態が、本当に『海の怪物』なのか、(怪物に例えられた)『海兵隊』なのか、それとも『超古代文明にて開発された原子力潜水艦のような兵器(?)』なのかはわかりません。

 この文献で推測できるのは、大災害で生き残ったネフィリムを討伐するために、神(実際はセト一族の長=ノア?)によりレヴィアタンが差し向けられたのかもしれないということです。

 

 レヴィアタンと戦ったオフヤフは、なんとかこの怪物を倒しました。

 しかし、今度は大天使『ラファエル』に挑まれることになり、この大天使と相討ちになった(あるいは殺害された)と伝えられています。

 こうして、主要なネフィリムは全て死に絶えて旧世界は灰となり、我々の人類史たる新世界が生まれたというわけです。

 

 『その2』の記事で述べた通り、一神教の文献におけるネフィリムとは、多神教における『半神半人の英雄』だと思われます。

 『半神半人の英雄』には、しばしば『竜退治』の神話が伝えられていますが、『オフヤフのレヴィアタン退治』も、一神教やその影響を受けた宗教からすれば、愚かな行為〈注6〉として解釈されたようです。

 

 これまで紹介した物語は(多神教的に言えば)神々と半神半人の英雄たちが支配した世界の終焉です。

 『エノク書』や『巨人の書』よりもずっと後世の文献ですが、北欧神話の終末『ラグナロク』でも多神教視点でこの展開が描かれました。

 マニ教版『巨人の書』と同じく、こちらでも『大劫火』により世界は焼き尽くされました。

  『大劫火』にせよ『大洪水』にせよ、いにしえの世界に存在していた――神々や半神といわれるような――超人たちが滅亡したことにより、(現代人と同レベルの)人類の時代が到来したということを、これらの神話は物語っていると思われます。

 

 一神教の神話では、神により選ばれたノアとその家族がその後の世界を主導したことになっていますが、彼らは本当に義人(正しい人)だったのでしょうか。

 ひょっとしたら、無事に生き残った彼らこそ『神の正義』を大義名分にして旧世界を破滅に追いやった『極悪非道な真犯人』だったのかもしれません。

 しかも、その理由が『最悪な独善』である可能性も考えられるでしょう。

 

 旧約聖書のノアに当たる人物は、ゾロアスター教の神話では『イマ』と呼ばれ、このイマはインド神話では冥界の神『ヤマ(閻魔大王)』と同一視されています。

 ゾロアスター教の神話によると、理想的な王とされるイマは神である『アフラ・マズダー』から啓示を受け、『破滅的な冬(氷河期)』が起こる前に、巨大地下施設『ヴァラ(vara)』を建造しました。

 そして、現代的に言えば『優生学』を基準にして人間選別を行い、自分が選んだ者たちをそこに避難させたのです。

 「善人だから救われるわけではない」――という内容は実に現実的な感じがしますが、話はそれだけではありません。

 マニ教版『巨人の書』では、イマは人間でなく『神』とされているのです。

 つまり、この文献でのイマは『神により救われる者』ではなく『神として裁く者』ということになります。

 

 自分が大災害を引き起こす立場であれば、いつなん時に、どのような大災害が起こるのかも事前にわかっていたことでしょう。

 破滅的な戦争が終わった後には、主要な敵対勢力は全滅しているのですから、後からなんとでも話を捏造したり正当化したりすることができます。

 しかし、複数の文献を比較すると、世界の滅亡に至るまでの情勢について、多様な考察を深めることができます。

 

 では、一神教系の終末神話について、ブログ主の考察をまとめてみましょう。

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大洪水以前に満ちていた『悪』とは、セト一族を脅かす勢力だった。

 その正体は、ネフィリムを擁したカイン一族である。

 彼らは本当に数々の悪行を行っていた可能性もあるが、セト一族が考える『悪』とは、多分に彼らの都合による解釈だと思われる。

 

②カイン一族がセト一族を征服しかけた(あるいは事実上支配していた)ので、セト一族は(逆転の策として)大量破壊兵器を用いた大攻勢を行った。

 その結果、世界規模の大災害に至った。

 

③大災害の後も一部のネフィリムは生き残ったが、有力な者は全て滅び、無事だったセト一族(=ノア一族)が新世界の支配者となった。

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 以上、主要な文献とマイナーな文献をかき集めて色々と妄想してみました。

 

 一神教の聖域を冒涜しまくった内容ですが、ブログ主は、滅ぼされたカイン一族・グリゴリ・ネフィリムが、決して『善』だったとは考えていません。

 悪魔はしょせん悪魔というか、神話の記述通り、悪党だった者たちも少なくなかったでしょう。

 しかし、それらを滅ぼした者たちは、悪魔以上に途轍もなく邪悪な者たちだったのではないか――と推測しているのです。

 

 そう――『救いの神』だと思っていた存在が、実は最凶最悪の『邪神』である可能性も考えられるのです

 

 ブログ主の神話観は『邪神(一神教系?)』と『悪魔(多神教系?)』が権力闘争を繰り広げているような光景です。

 どちらも『悪』であるなら、『神の悪』を問うことに意味はありませんし、神(宗教)が主張する正義についても真に受ける必要はないでしょう。

 

 仮に上記のことを事実だったとしても、そんなことは知らない方が幸せ――という考え方は否定できません。

 辛い現実を生き抜くには、何かを信じる気持ちが必要になるのは仕方がないことですから。

 しかし、ひとたび『真実への道』を志したのであれば、都合の悪い可能性も無視してはならないと考えています。

 そうした模索の先にこそ、我々は見つけられるのかもしれません――この世界を覆う『分厚い壁(謎)』を打ち破る方法を…………

 

 ――しらんけど ┐(゚~゚)┌

 

 では、これにて『グリゴリとネフィリム』シリーズは完結です。

 ここまで長い記事を読んでいただいた皆様に心から感謝致します。

 

 ありがとうございました。 


【注釈 6~7】

 

■注6 『オフヤフのレヴィアタン退治』も、一神教やその影響を受けた宗教からすれば、愚かな行為

 マニ教版『巨人の書』では、レヴィアタンは堕天使『シェムハザ』の息子――オフヤフとハフヤフ――によって殺される展開だが、このことは英雄的行為ではなく、愚行であるとされている。

 それを示すこととして、レヴィアタンに対する勝利を誇った後、両者が順番に斃され、最大の勝利が儚いものであると描かれた。 

 マニ教は禁欲主義を提唱していたので、王権を象徴する(竜退治のような)英雄神話は批判されるべきものだったのかもしれない。

 

■注7 平成の初期

 『真・女神転生』は1作目と2作目でシナリオがセットになっており、『真・女神転生(1作目)』は1992年(平成4年)10月30日、続編の『真・女神転生II(2作目)』は1994年(平成6年)3月18日に発売された。 

参考・引用

■参考文献

●旧約聖書Ⅰ創世記 月本昭男 訳 岩波書店

●聖書外典偽典4(旧約偽典Ⅱ) 村岡崇光 訳(日本聖書学研究所編) 教文館

●The Book of Giants(The Watchers, Nephilim, and The Book of Enoch) Joseph Lumpkin 著

●『巨人の書』の再検討 須永梅尾 著

●天使の世界 マルコム・ゴドウィン 著/大滝啓裕 訳 青土社

●天使辞典 グスタス・デイヴィッドスン 著/吉永進 監訳 創元社

●DAMKIANNA SHALL NOT BRING BACK HER BURDEN IN THE FUTURE! TAKAYOSHI・OSHIMA 著 

●SUMERIAN LEXICON JOHN ALAN HALLORAN Logogram Publishing

●古代メソポタミア語文法

●古代オリエント集(筑摩世界文學体系1) 筑摩書房

●古代メソポタミアの神々 集英社

●ソロモンの大いなる鍵 無極庵

 S・L・マグレガー・メイザース 編集、松田アフラ、太宰尚 訳 アレクサンドリア木星王 監修 魔女の家BOOKS

●実践魔術講座 秋端勉 著 碩文社

●マハーバーラタ C・ラージャーゴーパーラーチャリ・奈良毅・田中嫺玉 訳 

●マハーバーラタ 山際素男 編著 三一書房

●カナンの呪い ユースタス・マリンズ 著(天童竺丸 訳) 成甲書房

●創作資料(仮) あわゆきこあめ 著

 

 

■参考サイト

●Wikipedia

●WIKIBOOKS

●Wikiwand

●Weblio辞書

●ニコニコ大百科

●ピクシブ百科事典

●コトバンク

●goo辞書

●聖書入門.com

●神様コレクション@wiki

●幻想世界神話辞典

●Angelarium

●The-demonic-paradise.fandom.com

●幻想動物の事典

●chabad.org

●A Hebrew - English Bible

●Bible Gateway

●カラパイア

●日本の黒い霧(国際NGOだいわピュアラブセーフティネット)

●古今の秘密の教え フリーメイソンリーの象徴主義

●ビッグカンパニーHP

●The Demonic Paradise Wiki

●創造ログ

●古代メソポタミアと周辺の神々、神話生物について

●ジョン・ディーの部屋

●World History Encyclopedia

●神魔精妖名辞典

●Angelarium

●湖畔の生活 言語探求日記

●まなべあきらの聖書メッセージ

●Rinto

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●Hiroのオカルト図書館館

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