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アングロサクソン・ミッションとUFO その7

人間の可能性

電脳化への道

 SF系の漫画・アニメである『攻殻機動隊(こうかくきどうたい)』の世界では、『電脳化』と呼ばれる技術が存在しています。

 脳に直接マイクロマシンを注入することにより、神経細胞とマイクロマシンを結合。このマイクロマシンを通じて電気信号の送受信を行い、ロボットなどの機械を操作できるという設定となっています。

 電脳化した人間同士であれば、有線・無線を問わず他者との通信を行えるだけでなく、自分の視覚・触覚の感覚情報や感情まで相手に伝えることができるとか。

 攻殻機動隊の原作漫画が初めて出版された当時(1989年)は、まさに夢物語といえる世界観でしたが、近年はそうともいえなくなってきているようです。

 

 実業家のイーロン・マスク氏(イーロン・リーヴ・マスク/Elon Reeve Musk)が創設した『ニューラリンク社(Neuralink)』は、2019年8月末に脳に接続するAIチップデバイス『Neuralink(ニューラリンク)』を発表しました。

 これは、体に麻痺を抱えた人の脳にチップを移植して、思考だけで電話やPCなどの操作を可能にすることを目標としているそうです〈★参考記事:カラパイア〉。

 

 上記は障害を負った人のための技術ということになっていますが、マスク氏は、ニューラリンク技術により脳とAIの『共生』を実現したいとも述べていたとか。

 そこに至るまでの道は簡単ではないでしょうが、攻殻機動隊のような世界が実現するのは、時間の問題かもしれません。

 

●画像引用 DARPA

柳生(石舟斎)宗厳

 『柳生石舟斎宗厳(やぎゅう・せいしゅうさい・むねよし)』は、新陰流剣術二代目の兵法家です。

※兵法家(兵家)の本来の意味は軍略家ですが、日本の戦国時代では特に剣術・槍術などに秀でた武芸者のことを指していました。

 

 息子には徳川将軍家の兵法(剣術)指南役となった五男の『柳生宗矩(やぎゅうむねのり)』、孫には尾張徳川家に仕えた『柳生利厳(やぎゅうとしよし)』がいました。

※利厳は石舟斎(宗厳)の長男『柳生厳勝(やぎゅうとしかつ)』の子。

 

 息子の宗矩は宗の影響を受け、『剣禅一如』の概念を自身の兵法に取り入れましたが、父の石舟斎(宗厳)は密教色の濃い兵法家でした。

 この辺りは、単に宗教性の違いだけでなかったと思われます。

 徳川将軍家の支配が確立した太平の世において、宗矩は剣士として最高の地位を得て、江戸時代の剣術の方向性を考えられる『治世の剣聖』となりましたが、父の石舟斎(宗厳)は、生死の問題が切実だった戦国時代真っ只中を生きた『乱世の剣豪』だったからです。

 

 石舟斎(宗厳)に限らず、乱世の武士たちは禅僧のような達観した境地よりも、神仏の加護を求める傾向にあったようです。

 そしてそのための代表的な手段として、当時は密教があったのです。

 

●画像引用 BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)

上杉謙信

 上杉謙信は戦国時代の越後国の大名です。

 関東の覇権を巡って武田信玄や北条氏康と争いました。

 死去する前年(1577年)には、『手取川の戦い』にて織田軍の宿老――柴田勝家率いる大軍を打ち破り、武名を高めました。

 

 宗教的には若年の頃から禅宗系の教育を受けましたが、心情的には真言宗の方に傾倒していたようです。

 仏道修行者としての己を強く意識していたためか、生涯不犯(妻帯禁制)を貫き、実子はいませんでした。

 

●画像引用 Wikipedia

マッカーサーとGHQ

 『ダグラス・マッカーサー(Douglas MacArthur)』率いる『GHQ(General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers/連合国軍最高司令官総司令部)』は、日本の占領に当たり、それまでの日本人の精神を否定する政策を取りました。

 それが『WGIP/War Guilt Information Program(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)』と『3R・5D・3S政策〈注8〉』といわれています。

 

 『WGIP』とは『戦争に対する罪悪感(あるいは有罪性)を日本人に植え付ける宣伝計画』です。

 これによって日本の解体が計画され、『3R・5D・3S政策』により具体的に進められたといわれています。

 

 『WGIP』は陰謀論扱いされることもありますが、戦後の日本社会を見てみると、少なくとも『3S政策』などの『愚民化政策』の方は成功したといえるでしょう。

 現代の日本では、選挙に行かない、あるいは政治そのものに関心がない人々が数多くいるのですから。

 

●画像引用 大和実践会

 前回の記事『アングロサクソン・ミッションとUFO その6』では、陰謀論動画『アングロサクソン・ミッション』で漠然と語られていた人間の『意識の可能性』――言い換えるなら『人間の潜在能力=意識の力』の根拠を考察してみました。

 今回の『その7』では、前回で書き切れなかった意識の力』の具体的な使用例について、歴史を紐解きながら見ていきたいと思います(概してオカルトな話となります)。

 今回もタイトルにある『UFO』とは全く関係なく、しかも『アングロサクソン・ミッション』の本題とは逸れた話となりますので、予めご了承ください(まあいつもか……)。

m(_ _)mスマン

 

 昨今は人間の『進化』のあり方として、『人間と機械の融合』という考え方(例:トランスヒューマニズム)も提示されていますが、ブログ主としてはその前に『生身の人間の可能性』を再考する方が重要だと考えています。

 アングロサクソン・ミッションで言及された『意識の可能性』という発想自体は、実は真新しいことではありません。

 意識の力を開発する方法は、古代から存在していました。

 そして、そうした訓練法は概して宗教神秘主義の専売特許でした。(近代になるまで)上記以外でその種の能力開発に言及した思想がなかったからです。

 

 オカルトな力に固執し過ぎるのは余り好ましくありません――場合によっては『往年の某カルト宗教』のような『結果』を生んでしまうこともあるからです。

 ただ、科学技術から発達したからといって、トランスヒューマニズムのように機械に依存した『進化?』に憧れるのは如何なものかと疑問を抱いています。

※上記の件に関しては、『攻殻機動隊SF系漫画・アニメ作品)』で登場した『電脳化〈注:左画像参照〉』・『義体化(サイボーグ化)』などが、トランスヒューマニズム的な進化をよく表現していると思われます。

 

 ブログ主としては、機械はあくまで機械であり、人間はその主人であるべきだと考えています。

 機械にのみ頼り切るようなことを進化と呼んでいては、生物としての人間の未来は暗いでしょう。

 

 自分たちの内部に忘れさられた資質を鍛え直す意味において、神秘主義の訓練法にも意味はあるかもしれません。

 ということで、その訓練法についても紹介したいと思いますが、長くなるので『魔術』のカテゴリーとして別記事で以下に書きました。

★★★★★★★★★★★★★★

 

●神道の呼吸法

●氣功の基本――站椿功

●密教の瞑想法――五字厳身観

●密教の瞑想法――五相成身観

 

★★★★★★★★★★★★★★

 日本の伝統宗教である神道氣功の源流になったといわれる中国由来の陰陽五行思想(日本では陰陽道)、そしてインド由来の仏教(日本の場合は大乗仏教/特に神秘主義としては密教)は、日本では『神仏習合』の思想のもとで共通の世界観として融合していました。

 故に、これらに関連する訓練法は、日本人にとって相性がよいのではないかと(勝手に)思っています。

 

 『通常の技術(ここでは経験的・合理的に編み出されたオカルト要素がないと考えられる技術のこと)』と『神秘的な力』を組み合わせることで、限界(と思い込んでいた)領域を超えたパフォーマンスを発揮できる可能性が見えてくるかもしれません。

 

 上記について、剣術の事例を見てみましょう。

 戦国時代から江戸時代初期の剣豪として知られた『柳生石舟斎宗厳(やぎゅう・せきしゅうさい・むねよし)』は、高野山真言宗の信者でもあり、剣術の伝書(複数あり)において、「真言を唱えれば背を向けていても勝てる」と書いたそうです。

※『真言(サンスクリット語:मन्त्र/mantra/マントラ)』とは密教の呪文。

 

 もちろん石舟斎の場合は剣術の修行も極めた上でこの言葉を残したのでしょうが、これは技術(剣術)とオカルトの力が組み合わさった『達人の境地』といえるのではないでしょうか。

 

 戦国時代の剣術は個人的な戦闘技術ではありますが、現代の体育会系競技でも、練習の一環として仏教的な精神修養を取り入れることもあるようです(武道・格闘技系のみならず)。

 高度な技術を競う場合、必然的に集中力が求められるので、『坐禅』のような修行法が有効〈注1〉になってくるのでしょう。

 人間が高度な精神集中状態に入ることを、心理学的には『フロー(またはゾーン)』と呼ぶそうです。

 『ゾーン』というほど大袈裟な精神状態ではないかもしれませんが、坐禅は集中力を高める訓練法の1つとして、一般人にも受け入れられ易いと思われます。

 そして柳生石舟斎はそれよりオカルト色が強い密教修行にも励むことで、超感覚に近い領域に辿り着いたのかもしれません。

 

 さて、上記の通り「オカルトを現実の力として取り込む」という考え方を持っていたのは、ブログ主が初めてではありません――昔からあったのです。

 それは柳生石舟斎のような武芸者だけに限りません。

 権力者も同様です――というか、権力者たちの方がむしろそうした力に敏感でした。

 

 古くは藤原氏などの平安時代の貴族たち、そして武田信玄上杉謙信徳川家康などの有力な戦国大名たちも、すでにこういう方針を取っていたのです。

 合理主義者といわれる織田信長も、宗教・呪術の力を利用していたと思われる記録があります〈注2〉。

 

 これは単に宗教心が篤い時代だからという理由だけではありません。

 特に乱世の武士たちは何が起こるわからない戦場に幾度も赴くのです。

 命を懸けたぎりぎりの世界において、中世の限られた知識や世界観の中で論理的・現実的な努力をしたところで限界がありました。

 そうした不安を乗り越えるためにも、戦国大名たちは密教・陰陽道・神道などの呪術師を抱え込んだのです。

 こうした呪術師的存在としては、徳川家康の側近だった『南光坊天海(なんこうぼう・てんかい)』が有名です〈注3〉。

 

 戦国大名は権力者なので、呪術分野を専門家に任せる『分業』を行うことができましたが、上杉謙信に限って言えば自ら密教修行に励みました。

 自身を『毘沙門天(びしゃもんてん)』の化身として信じ込んでいたと思われる謙信は、多くの戦場で危険な陣頭指揮を行ってきましたが、(流れ矢に当たるなどで)討ち死にすることはありませんでした。

 それどころか、直感レベルの迅速な判断が求められる戦闘指揮を巧みに行い、局地戦においてはほぼ無敗〈注4〉――その強さは、武田信玄や織田信長など同時代の英雄たちを恐れさせるほどだったのです。

 

 先に例に挙げた柳生石舟斎が『剣術とオカルトの力の組み合わせ』なら、上杉謙信は『戦術指揮能力とオカルトの力の組み合わせ』といえるかもしれません。

 (戦争を通して)「より多くの敵と戦える・敵を斃せる」ということで、上杉謙信のような能力の方が歴史的・政治(権力)的な意味は重いでしょう。

 

  上記のような上杉謙信や織田信長が活躍した戦国時代の日本は、実は世界でもトップクラスの軍事大国でした。

 鉄砲の国内総保有数が世界一だったこともありますが、単純に凌ぎを削って勢力争いをしていたため、兵が鍛えられた上に動員数も多かったのです。

 この頃は、日本の武士たちが傭兵となって海外に行くくらいでした〈注5〉。

 こうした武士たちの精神的な支えになったのが、主に神仏習合の世界観〈注6〉に基づく信仰と呪術です。

 

 下剋上も厭わないような戦国時代の武士たちの精神と、当時の日本の軍事力は、強勢を誇っていたイスパニア(スペイン)の日本植民地化計画〈注7〉を断念させる大きな要因となりました。

 

 殺伐な事例で説明していきましたが、海外勢力が恐れる日本人の精神とは、『礼儀正しい優等生的な日本人』ではなく、こうした『乱世の武士』の精神が大元の背景にあると思われます。

 乱世に対する反省から『儒教(特に朱子学)的道徳教育』を進め、概して平和だった江戸時代、そして武士の世を完全に否定する『廃刀令』が実施された明治時代を経たものの、明治以降も日本人に武士の精神はまだ残っており、大日本帝国の躍進を助けました。

 

 大東亜戦争の敗戦後、日本人の精神構造を恐れたアメリカは、徹底した日本人弱体化計画を進めます。

  それがアメリカの占領政策――『3R・5D・3S政策〈注8〉』です

  上記は、アングロサクソン・ミッションで言及された発言とも関連していますが、それは次回にて考察したいと思います。

 

★【注意】この章の注釈は長いですが、今回の記事にはまだ次の章があります。


【注釈 1~8】

 

■注1 『坐禅』のような修行法が有効

 『技術と神秘的力(あるいは精神力)の組み合わせ』について、剣豪やアスリートのような事例は一般人にとって遠い話のように思えるが、 我々が日常的な仕事を熟していく上でも集中力は必要になる。

 ビジネスマンにも、禅をはじめとする神秘主義から発生した訓練法はそれなりに役立つかもしれない。

 人間が物事を成就させるには、才能を問う前に精神の在り方が重要になるからだ。

 なお、アップル社の共同設立者である故・スティーブ・ジョブズ氏が禅に傾倒していたことはよく知られている。 

 

■注2 織田信長も、宗教・呪術の力を利用していたと思われる

 尾張織田家の祖先は、越前にある『劔神社(つるぎじんじゃ)』の神官といわれている。

 そのためか、信長は神道系の神々は敬っていたようだ。

 特に『津島牛頭天王社』は、『信長の氏神』と『摂津名所図会』に書かれるほど保護された(織田家の本来の氏神は劔神社の『織田劔大明神』)。

 織田劔大明神は『須佐之男命(すさのおのみこと)』のことであり、『牛頭天王(ごずてんのう)』はスサノオと習合した神である――牛頭天王はスサノオの本地神(神の正体とされる神仏)とされた。

 他には『弁才天』や『白山権現』、そして信長がその名前を自称した『第六天魔王(だいろくてんまおう)』も信仰していたという。

 

 また、信長自身を神として祀ったともいわれる『摠見寺(そうけんじ)』の初代住職は、真言宗系の密教僧である『尭照(ぎょうしょう)』である。

 資料性は弱いものの、『信長記』には「信長は鬼神を祀っていた」と書かれているので、(それが事実であれば)鬼神の祭祀を担当したのが、尭照だったのかもしれない。

  

 信長がデザインした『安土城』も宗教性が強いところを見ると、彼は司馬遼太郎の小説で描かれたような『無神論者』ではなかったといえるだろう。

 神官出身の家系であるためか、むしろ他の平均的な戦国大名よりも当時の宗教に詳しく、積極的に(黒魔術的な要素もある)呪術を取り入れていたとも考えられる。

 だからこそ、強力な呪術者集団と信じられていた比叡山高野山などの仏教勢力に対し、信長は強気になれたのかもしれない。

 

■注3 南光坊天海(なんこうぼうてんかい)

 『慈眼大師(じげんだいし)』とされた南光坊天海は、天台宗系の密教僧である

 ※異説では明智光秀が後に天海になったという話もある⇒『天海=明智光秀説参照』。

 

 『黒衣の宰相』と呼ばれた臨済宗以心崇伝と共に、僧侶として徳川家康のブレーン(政治顧問)として活躍。

 主に宗教政策・朝廷政策に関与した。

 江戸を『四神相応』に適う呪術的都市として設計したのは、天海の立案だといわれている。

 

■注4 上杉謙信の強さ

 上杉謙信は生涯戦績は、71戦中『61勝2敗8分』といわれており、戦国武将の中で最高の勝率だ。

 2敗とされているのは『生野山(なまのやま)の戦い』と『臼井城(うすいじょう)の戦い』であり、共に北条氏(後北条氏)勢力との戦いである。

 ただ、『生野山の戦い』は敗走ではなく撤退(しかも謙信が率いていたかどうかも不明)、『臼井城の戦い』も謙信が城を攻めきれずに多くの犠牲を出しただけという見方もあるので敗戦に数えない場合もある(『臼井城の戦い』の内容は完全に謙信の敗北だが)。

 謙信は戦(いくさ)に強いだけでなく、内政においても商業の振興や金山・銀山を開発するなどの手腕を振るった。

 彼が死去した時、春日山城には2万7140両の蓄えがあったという。

 

 そんな上杉謙信であるが、隣国に武田信玄と北条氏康という名将がいたという不運と、何より謙信自身が天下に対するビジョンを持っていなかったためか、彼が天下人になることはなかった。

 

 なお、上杉謙信は毘沙門天の他に『飯縄権現(いづなごんげん)』も信仰していたようであり、兜の前立が飯縄権現の像となっている。

 飯縄権現は戦勝の神として信仰され、足利義満管領細川氏(特に細川政元)、上杉謙信、武田信玄など中世の武将たちの間で盛んに信仰された。

 

■注5 傭兵となった武士たち

  『優しい日本人』というイメージは、日本史においてはごく最近にできあがったといえる。

 朱子学が正学とされた江戸時代の長い天下泰平の世を経て、日本人は倫理的な生活習慣を根付かせられ、明治維新後の廃刀令発布によって武士の世が否定され、そして大東亜戦争の敗戦によって精神的な牙を抜かれた結果、生まれた像なのだ。

 少なくとも室町時代南北朝時代含む)から江戸時代初期までの日本人は特に気性が荒々しく、海外に傭兵に行く男たちまでいた。

 

 当時の世界は大航海時代であり、ヨーロッパの各国は東南アジアまで植民地を広げて激戦を繰り広げていた。

 織田信長・豊臣秀吉・徳川家康という天下人によって日本の戦乱が収まってくると、活躍の場が減少した武士たちが海を渡り、植民地戦争の舞台となっていた東南アジアで暴れていたのだ。

 この地に行ったのは武士だけでなく、忍者や野党の類もいたようである。

 『下剋上』の気風を持っていた故か、彼らは強かったものの素行は悪く、現地の西欧人も扱いに手を焼いたという。

 

 マニラにおいては、1608年に日本人が大暴動を起こそうとする状況となり、スペインの総督代理(フィリピン臨時総督)『ロドリゴ・デ・ビベロ』は、日本人の退去を命じ、さらに徳川幕府(江戸幕府)に日本からの来航船を制限してほしい旨を要請した。

 1609年に『フアン・デ・シルバ』という新総督が着任した時には、マニラにおける日本人の行為について『不快である旨(日本の兵隊は野蛮で扱い切れないのでなんとかしてほしいということ)』を徳川秀忠(または家康)に書き送った。

 これに対し、秀忠は「そちらで悪さをする日本人達は、そちらの現地法に則って処分してもらって構わない」と返信して突っぱねたという。

 上記ような日本人は現在の様相とはかけ離れているが、この野蛮人たちの存在は、西欧人が日本の植民地化を諦める要因の1つとなった。

 

■注6 神仏習合の世界観

 神仏習合の世界観には仏教優位の『本地垂迹説』もあり、これがある意味、朝廷から権力を奪っていた『武士の時代』、さらには弱肉強食が鮮明化した『下剋上』の気風を下支えする要因の1つになったかもしれない。

 本地垂迹説では、基本的に仏の方が神より格上あり、その仏は神道の神のように血縁(神族)が重要視されていない。

 また、真言密教では『即身成仏』のように「この肉身のままで究極の悟りを開き仏になる」という思想が説かれている。

 本地垂迹説の世界観を前提とするなら、そうした思想は人間が(日本の)神々を超える存在(=仏)になれることを示す上に、神の末裔である皇室中心の日本秩序に一石を投じることにもなり得る。

 

 このことを暗示するかのように、密教(雑密=体系化される前の密教)の行者である『役小角(えんのおづぬ)修験道の祖とされる』が、日本の神である『一言主(ひとことぬし)』を呪術によって金縛りにする話(日本霊異記)もある。

  歴代の天皇は呪術方面で神道に頼りなさを感じていた故か、仏教(特に密教)に傾倒する『帝(みかど)』も少なくなかったが、それは天皇の一族を中心とする朝廷から権力を奪った武士たちも同様である。

 最初に武家政権を確立した源頼朝聖観音鎌倉幕府執権)の北条氏(鎌倉北条氏)は禅宗、室町幕府を開いた足利尊氏地蔵菩薩を信仰していた。

 政権を担った武家は、皇室の祖先である日本の神々(特に天照大神を主神とする天津神)からすれば(本来は)冒涜的な存在となるはずだが、それ以上に力を持った仏が加護しているのであれば天罰を下せないという論理になる。

 

 上記の論理は仏教勢力についても同様である。

 比叡山などの僧侶たちには朝廷だけでなく武家までもなかなか手を出せない状況になり、彼らが権力に奢る状況となってしまった(平安時代後半から戦国時代までの寺院は兵も抱えていた)。

  

 ■注7 イスパニアの日本植民地化計画

 イスパニア(スペイン)などの西欧諸国は、東南アジアと同様に日本も植民地とする予定だったが、日本巡察を終えたイエズス会士のアレッサンドロ・ヴァリニャーノは、1582年にフィリピン総督に宛てた書簡において以下のように綴った。

 

「日本の国民は非常に勇敢で、しかも絶えず軍事訓練を積んでいるため、征服は困難だ」

 

 この報告もあり、イスパニアは日本の植民地化を諦めることになったらしい。

 当時の日本は、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康によって統一されようとしていた時期であり、世界屈指の軍事大国だった。

 これに加え、フィリピンなどで野蛮な日本人傭兵の姿を目の当たりにした西欧人たちも、日本征服が不可能であることを実感したことだろう。

 

■注8 3R・5D・3S政策

 日本解体化計画といわれる『3R・5D・3S政策』とは、以下の通り。

 

●3R

① Revenge(復讐)

② Reform(改組)

③ Revive(復活))

⇒『3R』とは占領に当たっての基本原則である。

 アメリカ軍は、戦争における復讐のために日本の従来組織を抜本的に組み替えた上で復活(=独立)させた。

 ただ、『サンフランシスコ平和条約』を経て日本は、表向き主権回復が認められたように見えるが、実際はアメリカの深い影響下にあり、不平等な条約や財の搾取などを強いられているともいわれている。

 もっとも、ソ連などの共産圏に組み込まれていた場合、さらに非道な目に遭ったと思われるので、この点では「まだマシ」といえる。

 

●5D

① Disarmament(武装解除)

② Demilitalization(軍国主義の排除)

③ Disindustrialization(工業生産力の破壊)

④ Decentralization(中心勢力の解体)

⑤ Democratization(民主化)

⇒『5D』は占領に当たっての『重点的政策』といわれている。

 ①~③は日本の軍国主義とそれを支えた産業の解体、④は内政と国内管理の中心組織だった内務省の廃止と財閥解体、⑤は民主化を進めることで大日本帝国の精神的基盤となった思想を否定する意図があったといわれている。

 

●3S

① Sex(性の解放)

② Screen(映画・テレビなどの映像産業の振興)

③ Sport(スポーツの奨励)

 ⇒『3S』は占領に当たっての補助政策といわれている。

 日本人を娯楽塗れにすることによって民族的バイタイリティを政治から逸らす意図があったといわれている。

 

 結果的にこれは大成功したと思われ、テレビを付ければドラマ・バラエティ・スポーツなどの番組ばかりになり、政治や戦争を現実的な視点(パワーバランスの見方)で討論する(ゴールデンタイムの)番組はほぼ皆無である。

 また、1970年代後半辺りから国民の政治的無関心が指摘されていたが、特に1990年代を境に選挙に行かない者たちが増えたという。

 

意識の力の『現実』

大元帥明王

 大元帥明王は密教における明王の1つです。

 読み方は『だいげんすいみょうおう』であり、真言密教では『たいげんみょうおう』と読むそうです。

 その御利益は『必勝祈願』『敵国粉砕』『国土防衛』『疫病退散』とのことです。

 

 大元帥明王は、インド神話に登場する非アーリア系の食人鬼『アータヴァカ(サンスクリット語:आटवक/Āṭavaka)』に由来しますが、仏教に取り込まれ、国土・衆生の守護神になったとされています。

 

 この明王が怨敵・逆臣・敵国の調伏を祈願する『大元帥法(たいげんすいほう/たいげんほう)』の本尊とされました。

 

 『平将門藤原純友の乱(承平天慶の乱)』や『元寇』、そして『大東亜戦争』などの国家危機の際には、『大元帥法』が実施されました。

 その効果の真偽はともかく、結果的に平将門と藤原純友は滅び、元朝高麗連合軍は敗北。先の大戦では当時のアメリカ大統領『F・ルーズベルト』は終戦の前(1945年4月12日)に死去しました。

※親ソ連であり、ソ連のスパイを政権に取り込んでいたルーズベルトが終戦以降も生きていたら、日本の占領政策は(日本分割案を含めた)さらに厳しい処置になったといわれています。

 

 呪術のスケールから見てわかる通り、明らかに個人で祈願するような明王ではないですが、御利益の1つである『疫病退散』の部分については、新型コロナウィルスが蔓延する現在(2020年時点)の状況でこそ修されるべきのような気がする???

 

●醍醐寺 文化財アーカイブス

ダース・ベイダー

 スターウォーズの作中において、ダース・ベイダーは闇のフォース(超能力)の使い手として描かれました。

 西洋魔術でも、白魔術黒魔術のように『光』と『闇』が分けられることもありますが、東洋の呪術ではそうした明確な区分は見られません。

 現実に存在した呪術師たちは、病気治療から呪殺の術まで幅広く担っていたようです。

 

●画像引用 Wikipedia

主の昇天

 画像は、イタリアの画家・建築家であるジョット・ディ・ボンドーネ作の『主(キリスト)の昇天』です。

 

 ニューエイジ思想における『アセンション(昇天)』の大本のイメージは、概してキリスト教的な象徴に基づいており、その説は大別して2つあるようです。

 1つは「人間が霊的に進化して超能力者になる」という説、もう1つは「人間は肉体を捨てて3次元から5次元の世界に行く=(端的に言えば)人類の死滅」という説です。

 

 アセンションは『マヤ文明の予言――2012年人類滅亡説』とセットになり、スピリチュアルの世界で話題となりました。

 もっとも、2012年には人類滅亡はおろか、人々が超能力に覚醒するような現象もありませんでしたが。

 

●画像引用 Wikipedia

 今回の記事で言いたかったことは、アングロサクソン・ミッションで言及された『意識の可能性=意識の力』は、先述した通り、すでに過去の人々がその訓練と行使を試みていたということです。

 

 当然ながら、それは(攻撃的な要素も含めた)呪術という形式で実践されました。

 この力は、使いようによっては(呪術の範囲に留まらず)柳生石舟斎や上杉謙信のような脅威的な技能を発揮させる要素となり得るかもしれません(もっとも両者は極端な例ですが)。

 あるいは単なる呪術と解釈しても、(密教の話が事実であれば)『大元帥法(たいげんすいほう/たいげんほう)』のような敵国を調伏するほどの威力を発揮するかもしれません〈注:左画像参照〉。

 

 アングロサクソン・ミッションにて語られた話では、『意識の力』は『非暴力的な運動』とセットにされているようです。

 一方、日本史上の事例として『意識の力』が発揮されたのは、明らかに平和的ではない方法――(神仏への祈願を通した)政敵の呪殺、あるいは敵軍を打ち破るための力を求める呪術――があったのです

 このようなことができると思わせたからこそ、中世の仏教(特に密教)勢力にとって、呪術は世俗の権力者たちを恐れさせるだけの武器の1つになれたといえるでしょう。

 これが『呪術=意識の力の具体的な技術』の現実だったのです。

  仏門に入った者としては決して正しいあり方とはいえませんが、歴史上の僧侶たちは、非暴力では自分たちの身を守れないことを実感していたのです。

 

 アングロサクソン・ミッションの『証言者オーディオ・インタビュー原稿』において、ビル・ライアンは以下のようなことを語っていました。

 

①彼ら(支配層=イルミナティ?)は最終的に勝てないことになっている。

 『意識』というものは全てのフォース(ここでは軍事力を含めた物理的な権力のこと)を超越する。

 あらゆる軍事力や彼らが用意している全ての戦略的計画さえも、我々の『意識の高まり』が凌駕してしまうからだ。

 

②我々自身がもっと大きな力がある存在だと認識できれば、また我々が本当は素晴らしい存在であることを認識できれば、今の事態から抜け出せる。

 そして、もし十分な人数がそう認識し、目覚めれば、彼らの計画は頓挫するだろう。

 

①を読んで、ブログ主はすぐにスペースオペラ映画『スターウォーズ』に出てきたセリフを思い浮かべました。

 

The ability to destroy a planet is insignificant next to the power of the Force.

惑星を破壊する力も、『フォース(の力)の前では取るに足らない。

 

 上記は、惑星をも破壊する天体宇宙要塞デス・スター』の力を過信する銀河帝国軍の総督の部下に対し、ダース・ベイダーが放ったセリフです。

 有名な映画なので物語の設定についてご存じの方も多いでしょうが、スターウォーズにおける『フォース』とは、作中に登場する架空のエネルギーあり、超能力の源とされています。

 元ネタとしては、インド哲学における生命エネルギー『プラーナ』や宇宙の根本原理『ブラフマン』が背景にあるのかもしれません。

 

 ダース・ベイダーは元々フォースの使い手である『ジェダイの騎士』――アナキン・スカイウォーカーでしたが、『フォースの暗黒面(ダークサイド)』に堕ち、『シスの暗黒卿』となったのです。

 上記のセリフの後、ダース・ベイダーはフォースの念力で総督の部下の首を締め上げ、その力を見せつけました。

 意識的か無意識的かはわかりませんが、ビル・ライアンはスターウォーズのセリフを引用し、『意識の力』を語ろうとしたと思われます。

 

 注目すべき内容が多いアングロサクソン・ミッションですが、オカルトの歴史を知っているブログ主からすれば、ビル・ライアンのこうした発言には首を傾げました。

 まるで平和的な祈りと社会運動だけで問題が解決するような印象を受けたからです。

 ダース・ベイダーのように『意識の力』を戦闘に使うと主張したのであれば、少しは納得できたかもしれません。 

 

 繰り返しになりますが、『意識の可能性/意識の力』という発想はすでに古代からありました。

 伝承を信じるなら、過去の修行僧たちは厳しい修行の果てに超人的・呪術的な能力を得たとされています。

 そのような過程を経ていない一般人が、現代の支配層の脅威となるような『意識の力』を獲得できるかどうかは甚だ疑問です。

 

 ニューエイジ系のスピリチュアル思想では、『アセンション(Ascension)』という言葉がよく聞かれるようになりました。

 アセンションとは『上昇』という意味であり、宗教的には『キリストの昇天』を指すといわれていますが、ニューエイジにおいては『地球の次元上昇』を意味する概念として使われているようです。

 

 ニューエイジ的アセンションの解釈は様々ですが、その1つに『フォトンベルト説』があります。

 この説の概要は、地球がプレアデス星団の周囲を取り巻く『膨大なフォトンの(帯状の)領域』に入ることで地球人が霊的に進化し、封印されていた超能力が開花するとか。

 この説が真実であれば、インドなどにいる多くの修行僧たちが(他の人々よりも先行して)次々と驚異的な超能力に覚醒しているはずですが、そういう話は聞きません。

 つまり、この場合の『フォトンベルト説』は、多分に願望の産物ということになるでしょう。

 

 疑惑も含めた総合的な視点で考えてみれば、アングロサクソン・ミッションで言及された『意識の可能性』は、人々を軍事・経済などの『現実的かつ具体的な力』から目を逸らすための誘導のように見えなくもありません。

 『意識の力』に関しても、オカルトの歴史を紐解けば、それが現実の政治・権力闘争と同じく『綺麗事』で収まるようなものではなかったことがわかります。

 

 そういう意味において、アングロサクソン・ミッションには陰謀論の話も含めて何か深い意図があるのかもしれません。

 文武両道を心掛ける『武士道精神』、あるいはそれよりも厄介な戦国武士の如き『蛮勇』、そして哲学者のフリードリヒ・ニーチェが説いた『力への意志』というような『心の牙・心の剣』を、(支配層の都合のために)支配対象となる人々から奪い取るために……。

 

 では、今回はここまでです。

 次回は、アングロサクソン・ミッションにおける『愚民化政策』の発言について考察したいと思います。


参考・引用

■参考文献

●攻殻機動隊シリーズ 士郎正宗(漫画)及びその他の製作者(アニメ) 講談社他

●活人剣抜刀道 中村泰三郎 著 叢文社

●神仏習合 義江彰夫 著 岩波新書

●中世神話 山本ひろ子 著 岩波新書

●神々の明治維新―神仏分離と廃仏毀釈 安丸良夫 著 岩波新書

●天皇の仏教信仰 藤巻一保 著 学研

●第六天魔王信長―織田信長と異形の守護神 藤巻一保 著 学研M文庫

●神になった戦国大名 今福匡 著 洋泉社

 

■参考サイト

●AlphaZebra(Youtube) ※アングロサクソン・ミッションの動画

●アングロサクソン・ ミッション ビル・ライアン プレゼンテーション原稿 

●アングロサクソン・ミッション:証言者オーディオ・インタビュー原稿

●Wikipedia

●WIKIBOOKS

●ニコニコ大百科

●ピクシブ百科事典

●コトバンク

●goo辞書

●戦国乱世を生きた人々

●レキシジン

●メキシコ総合ポータルサイト AMIGO WEB

●BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)

●大和実践会

●DIAMOND online『無敵の上杉謙信が、天下を獲れなかった理由』

●DARPA

●exciteニュース

●NAVERまとめ【3S政策・日本人洗脳白痴化計画】

●人と情報の研究所

●宇宙の法則研究会

●ピュア・インスピレーション